眼球・角膜内皮細胞とは
角膜は、体表側から順に、5層(=@角膜上皮層Aボーマン膜B角膜実質層Cデスメ膜D角膜内皮層)で形成されています。そのうち、表皮側からみてもっとも深層部の《D角膜内皮層》についての解説です。
強靭なデスメ膜に覆われているこの角膜内皮細胞の層は、非常にデリケートで、細胞の再生能力はありません。細胞が死ぬと、周囲の細胞が膨張し、その隙間を埋めようとします。この層の細胞が死ぬのは主に、不衛生なコンタクトレンズ装着などが原因です。酸素の透過をさえぎるような汚れたレンズのために、酸素がこの深層までゆき届かず、死滅してしまうケースが多いようです。使い捨てのコンタクトレンズを定められた期間以上に使っていると、この角膜内皮細胞が死んでゆき、最悪の場合、失明に至ることも。
角膜内皮細胞の役割は、角膜の浸透圧を保つことです。余分な水分は排出し、角膜の濁りを取り除いてくれます。この層が正常に機能していなければ、角膜混濁が起こり、失明も起こりうるのです。
現在では研究が進み、死滅した細胞の代わりに埋め込む”内皮細胞シート”が開発されつつありますが、まだまだヒトへの臨床段階には至っていません。今のところ、角膜内皮細胞の死滅には、角膜移植しか対応する方法がありません。
過去の視力矯正手術の際には、この層にダメージが及ぶ可能性もありましたが、現在の視力矯正手術においては、この深層部の細胞がダメージを受けることはありません。